木造建築
大規模木造建築
木造建築は弱い?
木は弱いと思っていませんか?いえいえ、そんなことはありません。「比強度」と呼ばれる材料の重さあたりの強度で言えば、木は鉄の2~4倍の強度があります。木材は軽くて強い優れた建築材料なんです。
軽くて強度があり、昔から住宅建築材料として親しまれてきた木材が、どうして今まで小規模な建築に使用が限定されてきたのか?それには、自然素材であるが故の性能のバラツキや、職人の技術による性能差を画一化するのが難しく、大規模建築向けの技術開発が中々進まなかったことが背景にあります。
木造建築を取り巻く環境の変化
地球温暖化が問題とされて久しいですが、建築資材の中で唯一再生可能な材料として木材が見直されています。国内外で開発が進み、素材の性能を均一化させる集成材技術や、弱点だった継手部分の接合技術も日々進化を続けています。
また一方では、戦後の造林政策で開発された大量の針葉樹林が伐採適期を迎え、日本の森林貯蔵量は増え続けています。年老いた森林はCO2吸収率も下がる為、伐採→植林→育成とサイクルを維持する事が大切です。そうした状況を受け、新技術や新素材の開発に対する助成や木造建築に対する規制緩和を通じ、国としても大規模木造建築を後押しする機運が高まっています。
木造建築のメリット・デメリット
木造建築の最大のメリットは何といっても温熱環境の良さにあります。軸組素材自体が断熱性能と吸放湿性能を持っているため、その他構造と比較し断熱性能が高く、結露しにくい建物を作ることが可能です。それは建物を利用する人に健康や快適性を提供する大きな要因となり、他の構造では中々真似する事の出来ないポイントです。
そして同時に、ランニングコストやメンテナンスコストの低減に繋がります。
建物仕様、形状にもよりますが、建設コストも通常は鉄骨造同等~それ以下ですので、トータルコストメリットも十分期待できる構造です。
対するデメリットとして、腐朽やシロアリなどの虫害に対する耐久性や、万が一火災が起きた際の耐火性能に不安を抱く方も多いと思います。
しかしながら、腐朽や虫害の予防は設計段階からの対策により大部分を防ぐことが可能ですし、仮に鉄骨造でも環境が悪ければ錆、腐朽の問題は同様に発生します。
耐火性能に関しても確かに木は燃えるのですが、他の構造であっても火災にならないわけではありません。木は芯まで燃え尽きるには意外と時間が掛かります。万が一の場合も使用者が避難する時間を十分に稼いでくれます。それに加えて防火性能のある建材を内外装に使用するなど、デメリットを最小限にする方法を掛け合わせることが大切です。
当社の木造建築への拘り
太平洋戦争を終えた昭和20年、創業者が弟子と共に大工として工務店を立ち上げたのが千葉建設㈱の始まりです。以来70余年、木造住宅はもちろんのこと、当時木造が主流だった学校建築など、民間・公共を問わず多くの木造建築を地域へ提供してきました。
その長い歴史の中で培った技と、現在の技術革新により生まれた新しい技を融合させ、より良い建築物と技術を次世代へ繋げることが当社の使命です。
現在でもグループ会社に自社専属大工を抱え、日々技術の研鑽と次世代への技術継承に力を注いでいます。